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見守り契約とは?安心して暮らすための仕組みや任意後見契約との関係を解説

高齢者の方が将来的に認知症などにより判断能力が低下する可能性に備えるための仕組みに、任意後見契約があります。判断能力が低下する前に契約を結ぶことが前提ですが、自身の信頼できる人に財産管理等を依頼でき、さらに管理を依頼する財産の範囲も比較的自由に決められるなど、多くのメリットがあります。しかし、ひとりで暮らされている場合、判断能力が低下したタイミングがわからず、適切に任意後見契約を活用できない可能性があります。

そこで、注目されているのが「見守り契約」です。見守り契約とは、受任者による定期的な連絡や訪問を通じて、健康状態や生活状況を見守り、必要なサポートを提供する仕組みです。任意後見契約とセットで契約することで、判断能力が十分なうちから判断能力が低下した以後も、ご本人の生活をトータルサポートできるようになります。

この記事では、見守り契約の基本的な内容と、任意後見契約との関係について詳しく解説します。老後の生活を安心して送れるようにするため、ぜひ参考にしてみてください。

見守り契約とは?任意後見契約との関係も解説

見守り契約とは、一人で暮らす高齢者の方をはじめ、身近に頼れる人がいない方が安心して生活できるようにするための仕組みです。具体的には、定期的に電話や訪問により本人の健康状態・判断能力などの状況を確認し、必要に応じて適切なサポートを行います

老人ホームに入居されている方は施設の職員が常に体調を確認してくれますが、一人で暮らしている場合、体調の変化に誰も気づかない場合があります。そこで、見守り契約を締結することで、支援者が定期的に連絡をしたり状況を確認しに来てくれたりしてくれるため、ひとりで暮らす高齢者の方が安心して生活できるのです。

見守り契約と任意後見契約との関係

見守り契約は単独で利用されることが少なく、任意後見契約に付随する契約として利用される場合が多くあります。任意後見契約とは、判断能力が低下した際に備え、自分が信頼している人に財産管理を委任する契約です。本人の判断能力が十分なうちに契約を結び、判断能力が低下したときに効力が発生する仕組みになっていますが、一人で暮らされていると判断能力が低下したことに周囲が気づかない可能性があります。しかし、見守り契約を結んでおけば、一人暮らしの高齢者の方の状況を受任者が定期的に確認してくれるため、任意後見契約の効力発生のタイミングを失わずに済むのです。

もちろん、任意後見契約とのセットではなく、見守り契約を単独で利用する方もおられます。「一人での生活が不安だから定期的に訪問してほしい」「定期的に電話連絡してもらえると安心して生活できる」のようにお考えの方がいれば、見守り契約単独での利用も検討してみてください。

見守り契約を利用するメリット

見守り契約を利用すると、次のようなメリットが得られます。

  • 任意後見契約の開始時期を適切に判断できる
  • 本人を詐欺や悪徳商法から守れる
  • 受任者との良好な関係を構築できる
  • 介護担当者との密な連携により幅広い相談事に対応できる

任意後見契約の開始時期を適切に判断できる

見守り契約は任意後見契約とセットで契約することが一般的です。見守り契約により受任者が定期的に本人の生活状況を確認するため、判断能力の低下を早期に察知でき、適切なタイミングで任意後見契約を開始できるようになります。任意後見契約を適切に開始でき、財産管理等をしてもらえることがわかれば、本人も安心して生活を送れるようになるでしょう。

本人を詐欺や悪徳商法から守れる

高齢者の方が詐欺や悪徳商法の被害に遭うリスクを軽減できる点も、見守り契約を結ぶメリットの1つです。特に高齢者の方は、判断力が衰えやすく、悪意のある業者に騙されやすい状況にあります。しかし、見守り契約により受任者が定期的に経済状況や取引内容を把握することで、不審な取引を早期に発見できます。このように、判断能力に不安を抱える方を詐欺や悪徳商法の被害から守れるメリットがあるのです。

受任者との良好な関係を構築できる

見守り契約を結ぶことで、受任者は定期的に本人とコミュニケーションをとるようになります。そのため、相性が悪いわけでなければ、受任者と本人との信頼関係を深めることができ、本人が抱える不安や悩みを気軽に相談できる環境を整えられるメリットがあります。受任者との関係が深まることで、本人は安心して生活できるようになり、必要な時には受任者に頼ることができるため、自立した生活を続けやすくなるでしょう。また、受任者が将来的に任意後見契約の後見人になる場合には、あらかじめ後見人との関係を良好に保てるため、本人のみならず家族にも安心してもらえるでしょう。

介護担当者との密な連携により幅広い相談事に対応できる

介護担当者との密な連携により幅広い相談事に対応できる点も見守り契約のメリットの1つです。受任者も介護担当者も定期的に本人の状況を確認し、健康状態や介護ニーズに関する情報を把握します。双方が把握した情報を共有し合うことで、受任者もしくは介護担当者だけでは対応しきれない相談事にも幅広く対応できるようになります。このように、受任者と介護担当者との連携により幅広い相談事に対応してくれることがわかれば、本人はより安心して生活できるようになるでしょう。

見守り契約と他の契約とを併用する場面

見守り契約と他の契約を併せて利用する場面として、以下の3つが考えられます。

  • パターン① 見守り契約+任意後見契約
  • パターン② 見守り契約+任意後見契約+死後事務委任契約
  • パターン③ 見守り契約+死後事務委任契約

パターン① 見守り契約+任意後見契約

最も一般的なパターンは、見守り契約と任意後見契約を組み合わせるパターンです。見守り契約で本人の生活を支援しながら、将来の判断能力低下に備えて任意後見契約を組み合わせます。見守り契約と任意後見契約を併用する場合、本人が元気な間は見守り契約でサポートし、判断能力が低下した時点で任意後見契約が開始される、という流れで本人のサポートがおこなわれます。見守り契約と任意後見契約を組み合わせるパターンは、双方の契約が連動することにより、長期的に安心して生活を続けられる点が大きなメリットです。

パターン② 見守り契約+任意後見契約+死後事務委任契約

①のパターンに死後事務委任契約を付け加えるパターンも考えられます。死後事務委任契約とは、本人が亡くなった後の事務手続きを委任する契約であり、信頼できる人に葬儀の手配や遺品整理、相続手続きなどを依頼できます。見守り契約や任意後見契約は亡くなった後の事務手続きを委任できないため、死後事務委任契約を併用することで生前から死後までのトータルサポートが可能になるのです。見守り契約と任意後見契約で生活と財産を守りつつ、死後事務委任契約で死後の手続きまで包括するため、本人が安心して老後を過ごせる体制が整います。特に、家族が遠方に住んでいる場合や、頼れる人が少ない場合におすすめの組み合わせです。

パターン③ 見守り契約+死後事務委任契約

パターン②のうち、任意後見契約を除いた2つの契約を併用するパターンもあります。本人が判断能力を心配しない場合や、既に信頼できる人が財産管理を行っている場合に選択されることが多い組み合わせです。財産管理に関する契約をすでに結んでいる場合でも、本人が亡くなった後の事務手続きまでをまとめて依頼することができないため、死後事務委任契約とセットで契約することが多くあります。

見守り契約に盛り込む内容とは?

見守り契約は、任意後見契約のように法律で決められた契約ではないため、内容を自由に決められます。とはいえ、どのような内容を盛り込めばよいのかわからない方もいらっしゃると思いますので、一般的に見守り契約に盛り込むことの多い内容について以下で紹介します。

  • 契約の目的
  • 契約期間
  • 定期的な連絡/訪問
  • 親族/家族への定期的な報告
  • 介護従事者との連携
  • 費用
  • 契約などに関する相談
  • 秘密保持に関する内容
  • 任意後見の申立て
  • 緊急連絡先への指定
  • 契約の終了

契約の目的

始めに、見守り契約を締結する目的を明記しておくことがあります。例えば、「生活状況や健康状態を把握し、安心して暮らせるようにする」などが挙げられます。

契約期間

契約期間も明記されている場合が一般的です。具体的な契約期間は、1年間の自動更新として定められる場合が多くあります。

定期的な連絡/訪問

見守り契約では、受任者が本人の生活状況や健康状態を確認するための定期的な連絡や訪問の頻度を決められます。例えば、週に1回の電話確認月に1回の訪問など、具体的な頻度と方法を決めることで、安定したサポートが期待できるでしょう。

親族/家族への定期的な報告

本人の状況を親族や家族へ定期的に報告することも契約内容で決められます。見守りの結果や体調の変化などを伝えることで本人の様子を把握でき、家族の不安を軽減できます。また、家族が遠方に住んでいる場合でも、安心して見守りを任せられる体制を構築できるでしょう。

介護従事者との連携

介護サービスを利用している場合、受任者と介護従事者が情報を共有し、連携を取ることについても契約内容に盛り込めます。見守り契約の受任者も介護従事者も日常的に本人の健康や生活状況を確認しているため、双方が連携することで、よりきめ細やかなケアが実現できます。具体的には、定期的な会議や情報交換の方法を契約に明記することがおすすめです。

費用

契約内容には、見守り契約の費用を盛り込むことも多くあります。初期費用月額費用追加でかかる費用などについて、具体的な金額と共に明記されることが一般的です。見守り契約の費用相場については「見守り契約にかかる費用相場」で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

契約などに関する相談

本人が希望する場合、生活に必要な契約や財産管理に関する相談ができる旨も契約に盛り込むことができます。例えば、訪問販売や電話での勧誘などを受けて契約を結ぶか迷った場合に、受任者に相談することでトラブルを未然に防ぐことが可能です。

秘密保持に関する内容

秘密保持に関する内容も契約内容に盛り込まれることが多くあります。見守り契約では受任者が本人のプライバシーに関する情報を多く知り得ます。そのため、秘密保持条項を設けることで、受任者が本人の個人情報や協議内容を第三者に開示しないように義務付けられるのです。

任意後見の申立て

本人の判断能力が低下した際に、事前に結んでいた任意後見契約を開始するための申立てを行う役割も見守り契約に含めることが可能です。見守り契約を通じて日常的に本人の状況を確認している受任者が、適切な時期に申立てを行うことで、スムーズにサポートを受けられるようになります。

緊急連絡先への指定

万が一の事態に備え、受任者の連絡先を緊急連絡先に指定しておくことも可能です。もちろん、親族を緊急連絡先に指定することも可能ですが、より日常的に本人と接している受任者を緊急連絡先に指定しておくことで、より迅速な対応が期待できます。これにより、本人も親族も、安心して暮らせるようになるでしょう。

契約の終了

最後に、契約の終了に関する内容を盛り込むこともできます。一般的には、本人の死亡破産後見開始などにより契約が終了します。また、本人や受任者の意思引越し施設入居など一定の条件を満たすことで契約が終了するように定めることも可能です。

見守り契約ではできない行為

幅広い範囲で本人のサポートができる見守り契約ですが、法律行為の代理や財産管理などの行為はできません。これらの行為は本人の権利や財産に直接影響を与えるものですが、見守り契約はあくまでも本人の生活を見守ることが目的であるため、そのような権利まで受任者に与えられることはないのです。

もし法律行為の代理や財産管理などの行為も司法書士等の専門家に依頼したい場合は、任意後見契約や財産管理等委任契約と併用して契約するようにしてください。任意後見契約は判断能力が低下した場合に法律行為の代理や財産管理などを任せられる契約であり、財産管理等委任契約は判断能力がある状態で財産管理を任せられる契約です。用途に応じて適切な契約を選択し、見守り契約とあわせて利用する必要があります。

見守り契約を締結する方法

見守り契約を締結するには、本人と受任者との合意の上で見守り契約書を作成します。見守り契約書だけの作成であれば公正証書として作成する必要はありませんので、契約書を作成するだけで契約を締結することが可能です。ただし、司法書士や行政書士などの専門家に依頼する場合、契約の安全性を確保するために公正証書で作成する場合もあります。また、任意後見契約とセットで契約する場合は、任意後見契約に関する契約書を公正証書として作成しなければいけないことを理解しておきましょう。

見守り契約にかかる費用相場

項目費用相場
契約書作成費用数万円~10万円
月額費用数千円~3万円/1ヶ月
緊急出動1万円/1回
交通費実費(契約内容により請求の有無が異なる)
※任意後見契約公正証書作成費用10~20万円程度

見守り契約にかかる費用は、大きく分けると契約書作成費用月額費用の2つです。契約書作成費用の相場は数万円~10万円程度、月額費用の相場は1ヶ月あたり数千円〜3万円となっています。それに加えて、緊急出動をするごとに1回あたり数千円程度の追加費用がかかることもあれば、交通費の実費を請求されることもあります。詳細な費用は契約ごとに異なるため、実際にかかる費用は必ず事前に確認するようにしてください。

見守り契約は他のサービスや商品との併用がおすすめ

見守り契約や任意後見契約だけでも、高齢者の方の生活を十分にサポートできますが、見守り支援などのサービスや商品と併用すると、より安心して暮らせるようになるでしょう。

守り支援サービスとは、センサーやカメラ、電話などを使って、高齢者の方の日常生活の見守りを行う制度です。センサーやカメラを使った見守り支援サービスを利用すれば、24時間いつでも高齢者の方の生活を見守れるうえ、緊急時にもすぐに対応できるようになります。このように、見守り契約は日常生活の中でも高齢者の方を見守ることのできるサービスや商品と併用することで、高齢者の方がより安心した生活を送る環境を整えられるでしょう。

見守り支援サービスの詳細は、以下の記事で解説していますので、あわせてお読みください。

見守り支援サービスとは?役割や種類、選び方などについて解説

相続・生前対策のご相談は「リーガルライフサポート」に

見守り契約を利用することで、日常の見守りと将来への備えを一体化させた支援を受けられます。特に、任意後見契約や死後事務委任契約を組み合わせることで、さらに安心な老後の生活を実現できます。自分や家族が安心して暮らすためのサポート体制を整え、長期的な目線で備えをすることが、これからの生活にとって大きな安心となるでしょう。

私たちリーガルライフサポートでは、相続・生前対策のすべてのお手伝いをしております。司法書士・行政書士・税理士・弁護士などの各分野のプロフェッショナルで構成されたネットワーク、高齢者施設・介護関連事業者・大手金融機関・不動産会社・ハウスメーカー・大手保険会社・葬儀会社などとのパートナーシップにより、お客様おひとりおひとりに寄り添ったワンストップサービスを提供しています。見守り契約や任意後見契約、遺言、家族信託などの生前対策から、葬儀や遺産整理、相続など亡くなられた後の手続きまで、ひとつの窓口でご案内しておりますので、「人生100年時代」といわれる今、充実したシニアライフを送るためにも、ぜひお気軽にご相談ください。

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