遺品整理は、大切な人が亡くなった後に避けて通れない重要な作業です。しかし、遺品整理のご経験がないと、どこから手をつけていいのか分からず、不安に感じてしまうこともあるでしょう。
本記事では、遺品整理をスムーズに進めるためのポイントを詳しく解説します。自分で遺品整理する方法に加え、専門家に依頼する方法についてもご紹介しますので、無理なく遺品整理を進めたい方は参考にしてみてください。
遺品整理のやり方を5つのステップで解説
まず、遺品整理のやり方を5つのステップにまとめましたので、参考にしてみてください。
- 遺品整理の全体計画を立てる
- 相続に関係する書類・資料を整理する
- 形見分けをする
- 供養が必要なものとそうでないものに分ける
- 不用品を処分する
遺品整理の全体計画を立てる
遺品整理を始める前に、まずは全体の計画を立てることが重要です。どこから始めるか、どのくらいの時間が必要かを見積もり、スケジュールを作成します。整理すべき物の量や大きさを把握し、無理のないペースで進められるようにしましょう。家族やサポートしてくれる人々の協力を得る場合は、自分の考えだけで計画を立てるのではなく、協力してくれる方と話し合いながら計画を立てることが望ましいです。
相続に関係する書類、貴重品を整理する
計画を立てたら、早速、遺品整理の作業に入ります。
作業の中で最初に行うのは、相続に関係する重要な書類や資料の整理です。相続税の申告や相続登記には期限があるため、遺言書や財産目録などの相続税の計算や申告、相続登記に必要な不動産の権利証などの書類を見つけ出す作業を、早めに行う必要があります。
また、金銭的な価値があるものや、家族にとって重要な資産は、相続手続きに影響を与える可能性があるため、注意深く確認することが必要です。いずれも相続手続きにかかわる重要な点であるため、どのように処理すればよいのか不明な場合はご自身の考えだけで進めるのではなく、司法書士をはじめとする専門家と相談しながら進めるのが良いでしょう。
形見分けをする
故人の思い出が詰まった品々の中には、家族や親しい友人にとって形見として大切に受け継ぎたいものがあります。形見分けのタイミングを見計らい、故人を偲ぶ人々と話し合いながら、どの品物を誰に譲るかを決めます。
形見分けは感情的にも大きな意味を持つため、無理に急がず慎重に行うことが大切です。また、金銭的な価値を求めて形見分けに参加する人も現れる可能性があるため、トラブルにならないような配慮が必要です。具体的には、親族間だけで先に話し合いをしたり、遺品を現金化してしまったりすることで、トラブルを避けやすくなるでしょう。
供養が必要なものとそうでないものに分ける
続いて、供養が必要なものとそうでないものに分ける作業を行います。仏壇や位牌、写真、遺骨などの宗教的・精神的な意味を持つ遺品は、故人が信仰していたお寺や宗教施設、葬儀を担当した葬儀社や仏具店に相談し、正しい手順で供養を行いましょう。
また、故人の愛用品や写真、手紙などはお焚き上げという形で供養されることがありますので、必要に応じて専門のお焚き上げ業者に相談してみてください。
不用品を処分する
最後に、供養が必要ない不用品を処分します。貴金属やアンティーク家具、ブランド品、時計など、価値がある物は買取業者やオークションなどで売却することがおすすめです。一方、売っても価値がなさそうな物は、自治体や不用品回収業者、リサイクルショップなどに回収を依頼するとよいでしょう。
もし、すぐに捨てる決心がつかない物が出てきた場合は、自宅で保管するという選択肢もありますが、保管しすぎると物が増え続けるため、本当に必要なもの以外は早めに処分するとよいでしょう。
遺品整理を自分で行うメリット
遺品整理を自分で行うメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 親族だけで遺品整理ができる
- 遺品整理にかかる費用を削減できる
親族だけで遺品整理ができる
一つ目は、親族だけで遺品整理ができるという点です。家族や親しい人たちと一緒に遺品整理を行うことで、故人との思い出を共有したり、家族の絆を深める時間になります。特に故人の遺品には感情的な価値があるため、自分たちのペースで慎重に整理でき、故人の大切な思い出や物品を親族だけで丁寧に扱えるという点もメリットです。
遺品整理にかかる費用を削減できる
二つ目のメリットは、遺品整理にかかる費用を削減できることです。遺品整理業者に依頼すると、物の量や作業の規模次第では高額な費用が発生することがあります。一方、自分で行う場合は、こうした費用を大幅に節約できるため、経済的な負担を減らせます。特に時間に余裕がある場合、自分たちの手で少しずつ進めることで、無駄な出費を抑えることができます。
遺品整理を自分で行うデメリット
遺品整理を自分で行うデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 多くの労力・時間がかかる
- 精神的にも大きな負担がかかる
多くの労力・時間がかかる
まず一つ目のデメリットとして、多くの労力と時間を要する点が挙げられます。遺品整理は単なる片付け作業とは異なり、故人の思い出や生活の痕跡が詰まった品々を慎重に扱い、分別・整理していく必要があります。特に家具や家電、衣類、書籍といった多くの品物がある場合、物量に圧倒されることも少なくありません。
加えて、年齢を重ねた高齢の方にとって、重い物を運ぶことや、長時間の整理作業は身体への大きな負担となります。腰や膝への負担が増え、無理をして作業を進めようとすると、体調を崩すリスクもあります。そのため、一度に終わらせようとせず、数日から数週間かけて段階的に進めることが大切です。スケジュールを事前に立て、計画的に無理のない範囲で進めましょう。
精神的にも大きな負担がかかる
次に、精神的な負担についても見逃せません。遺品整理を進める過程で、故人との思い出が詰まった物品に触れることで、感情的な波が押し寄せることがあります。遺品の一つひとつが、故人との思い出を想起させ、悲しみや喪失感が強く蘇ることもあるため、感情面でのケアが重要です。
特に、故人と親しい関係にあった人が遺品整理を行う場合、心理的な負担は計り知れません。感情的に立ち直れていない状態で無理に作業を続けると、心身ともに疲弊し、精神的な疲れが蓄積されることもあるでしょう。自分で遺品整理を行う場合には、このようなデメリットがあることを理解しておくことが大切です。
遺言書やエンディングノートを書いておく
故人の生前整理をする中で、「ご自身に万が一があったら」と想像し、自身の遺品整理について考えてしまうこともあるでしょう。必ずしもプラスの想像とは言えないかもしれませんが、これを機に、残された親族に自身の遺品整理で大きな負担をかけないためにも、遺言書やエンディングノートを書いてみてはいかがでしょうか。
遺言書やエンディングノートに相続方法や遺品整理のやり方を記しておくことで、親族や身の回りの人にかかる負担を減らすことが可能です。自分の所持品を「大切に保管してほしいもの」「供養してほしいもの」「不用品として処分してよいもの」の3つに分けて書いておくだけでも、遺品整理の際にどう整理すればよいのか迷ってしまうことが少なくなるでしょう。
エンディングノートの書き方については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要に応じて参照してみてください。
シニアの方必見!エンディングノートの書き方を徹底解説!遺言書との違いは?
「自分には遺品整理を進められないかも」と感じたら専門家に相談しましょう
「自分には遺品整理を進められないかも」と感じたら、専門家に依頼するという選択肢もあります。生前整理の専門家は、不要品の処分や買取、整理の計画作成など、物の整理を中心にサポートしてくれます。特に不用品の量が多い場合や、ご自身で整理を進めるのが難しいと感じる場合、プロに依頼することで作業が効率的に進められるでしょう。体力や時間の負担を軽減しながら、必要な手続きをサポートしてもらうことで、家族への負担を軽減できるメリットがあります。
一方、終活をトータルで支援してくれる司法書士等専門家を擁する法人に依頼する方法も考えられます。終活をトータルで支援する専門家・サポート法人に依頼すると、財産管理や相続対策、遺言書作成といった法律面での支援をはじめ、葬儀の手配、エンディングノートの作成支援など、さまざまな面でのサポートが受けられます。また、遺品整理だけでなく、法的な問題や供養に関する準備も一括して進めることが可能です。こうした専門家・サポート法人に依頼することで、相続や遺産分配に関するトラブルを避けることができ、人生の終盤を安心して迎えるためのサポートを受けられるでしょう。
相続・生前対策のご相談は「リーガルライフサポート」に
遺品整理は、故人の思い出を大切にしながら進める重要な作業です。自分で行う場合には、家族や友人と相談しながら、作業を進めるようにしましょう。一方、専門家に依頼する場合は、信頼できる業者を選ぶことがポイントです。また、自身の遺品整理について考えを巡らせた方は、生前整理をすることも検討してみてください。残された家族にかかる負担を軽減できるため、不用品を処分したり財産目録をまとめたりすることから始めてみてください。
私たちリーガルライフサポートでは、相続・生前対策のすべてのお手伝いをしております。司法書士・行政書士・税理士・弁護士などの各分野のプロフェッショナルで構成されたネットワーク、高齢者施設・介護関連事業者・大手金融機関・不動産会社・ハウスメーカー・大手保険会社・葬儀会社などとのパートナーシップにより、お客様おひとりおひとりに寄り添ったワンストップサービスを提供しています。葬儀や遺産整理、相続など亡くなられた後の手続きはもちろん、遺言や家族信託、成年後見、施設入居支援、生活見守り支援などの生前対策まで、ひとつの窓口でご案内しておりますので、「人生100年時代」といわれる今、充実したシニアライフを送るためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
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